「タイ料理」と「ドイツビール」。何の関係もなさそうなふたつが、一つのメニューに並んでいるのがタワンダン・マイクロブルワリー。緑が濃い丘におしゃれなカフェやレストランがあるデンプシー・ヒルにあります。
このお店の存在には早くから気づいていましたが、最近まで足を運ぶことがなかったのは、関係のなさそうな「タイ料理」と「ドイツビール」というふたつの組み合わせに説得力がなかったから。ある週末の夜、他のレストランで夕食をした後、たまたまはしごで足を踏み入れた時に、ここのクラフト・ビールがめちゃくちゃ美味しいことを知りました。
ここは、フレッシュな出来立てドイツビールとタイ料理を出すお店。夕方には、バンコクのカオサンロードを彷彿とさせるライブがあります。(ボーカルもバックバンドも上手いです。)ですが、ぶっちゃけここは「ビールのお店」です。ビールのためだけに来る価値があります。おすすめなのは、週末の静かな昼下がり。濃い緑の木陰でそよ風に吹かれながらビールを片手にのんびりするのが最高です。
ここのビールは、ラガー、黒、白の3種類。シーゾナル・フレーバーを出さずに、この3つだけを自信をもって出しているところに好感が持てます。そして本当に美味しい。お店の説明によると、高品質の材料を取り寄せ、ドイツから設備を取り寄せ、プロの醸造者がつくっているそうです。
このお店に初めて行くときは、ぜひ、ベストセラーのラガーを試してみてください。色はきれいなゴールド。まろやかで、ホップのアロマがきちんときいているのに、癖がなくて飲みやすい。蒸し暑いシンガポールの昼下がりの喉にごくごく通ります。
白ビール好きなら、白ビールもおすすめです。フワフワの泡の下には、きれいな黄色の濁りビール。甘すぎず、すっきりとした白ビールです。
週末の午後は、たいていお店はすいていて、のんびり読み物をしたり、静かにおしゃべりしているお客さんばかり。夜は大忙しのスタッフも、この時間はのんびりしていて、グラスが温かくなりそうになると、きんきんに凍ったグラスに注ぎなおしてくれます。そんな気遣いも最高なお店です。
Tawandang Microbrewery: 26 Dempsery Rd, #01-01, Singapore 249686
Getting there: 周辺に地下鉄の駅はありません。オーチャードからタクシーで5-10分。