ローカル料理は旅行の醍醐味。とはいえ、中国の新疆ウイグル自治区に行く前には、ウイグル料理には正直あまり期待していませんでした。が、旅行の1日目ですっかり虜に。旅行中の3度の食事と間食は最高でした。
回族はイスラム教徒なので、たんぱく質はラム肉か牛肉がメイン。香辛料をたくさん使います。ラム肉が好きなら、新疆はパラダイスです!そして、ラム肉がそれほど好きじゃなくても、この地方を旅行したらラム肉好きになる可能性が大です。個人的には、ラム肉とクミンの組合せが大ヒットで、ウイグル旅行を機にクミンが好きになりました。
この記事では、新疆ウイグル現地でトライすべしおすすめのウイグル料理を紹介。旅行当時は生粋のバックパッカーだったので、たいていは市場か露店でストリート・フードを食べてました。特に美味しかったのは、カシュガルとヤルカンド。時々、気が合ったバックパッカーとレストランに行って複数人でシェアする食事もしました。もちろんレストランの食事も美味しかったです。
ラグメン:モチモチのうどん麺と、ラムのひき肉のラグーソース
ラグメンは「ラグ麺」ではなく「ラグメン」。 手打ちの太麺うどんのようなモチモチの麵に、ラムひき肉のラグーソースがたっぷりかかっています。クミンがたっぷり、大蒜とチリとがきいているラグーソースです。
日本のうどんに負けないくらい、もっちもちで歯ごたえのある太麺が最高です。そして、揚げてから煮込んだラム肉は、それぞれのお店の自慢のブレンドのスパイスで味付けされます。何度食べても飽きることがありませんでした。
ラグメンのお店では、店先で自慢の麺づくりを披露してます。コシがある麺に違いない!と説得させられちゃいます。
ラグメンは本当に美味しいのですが、ものすごくボリューム満点。ちょっと小腹がすいた程度なら、蒸しパンにラグメンのソースを添えたメニューにしておくのも一手です。
サムサ(サモサ):ラム肉を、パン生地で包んだ餃子パン
日本語表記でサムサなのかサモサなのかは分からないけれど、小腹がすいたときにおすすめなのがサムサ(サモサ)。
餃子パンのようなスナックで、スパイスたっぷりのラム肉と、甘くなるまで炒めた玉ねぎを、ナンのパン生地で包んで窯で焼きます。外はパリッと、中は肉汁たっぷり。ラム肉の味付けにつかわれるスパイスはそれぞれの屋台のオリジナル・ブレンドで、ベースはスパイス、クミン、黒コショウ、玉ねぎです。
サムサ(サモサ)は、最高のおやつでした。長距離バスに乗る前に、屋台で1つか2つを買って移動中に食べたり、マーケット(市場)を散策中につまんだりしました。
窯で焼かれて、外側がパリパリになって取り出さた瞬間が、お求め時。
ポロ:スプーンが止まらない炊き込みご飯
ポロは、ウイグル流のピラフ(炊き込みご飯)。ラム肉と人参と玉ねぎを甘くなるまで炒めて、お米を加えて炊き込みます。もちろん、スパイスはお店のオリジナル・ブレンド。ラム肉のうま味ですべての野菜が美味しくなります。
美味しすぎて永遠に食べられそうなのは、たっぷり使われる羊脂の仕業。ウイグル旅行中は体重のことを忘れましょう。
ラム肉のシシカバブー(シシケバブ―)
ウイグルのラム肉のシシカバブ―(シシケバブ―、羊の串焼き)は、最高に美味しいです。普段、焼き肉をありがたがらない自分ですが、ウイグル旅行中はケバブをよく食べました。ラム肉の質が良くて、ブレンドされたスパイスがさらにお肉を美味しくしてました。
スパイス・ブレンドには、クミン、黒コショウ、チリ(唐辛子)と生姜がよく使われます。ラム肉とクミンの組合せの香りを覚えたら、シシカバブーの煙探知機になれます。屋台では炭火焼きにしていて、出来上がり次第お皿にとって出してくれます。
ウイグルでトライすべき内臓系
ウイグルで一度は試すべきなのが、羊や牛などの内臓系。おすすめなのは味ではなく、珍しい部位を食べたというその経験(笑)
市場や屋台をうろうろしていると、必ず見かけたのが羊のカマ(頭)や、肺(多分、、、)。ウイグル旅行の後にいろんな国を旅行しましたが、この2つはウイグル以外で見かけたことはありません。私が試したのは、こちら。
多分、肺です。
この肺のようなものを指さして注文すると、一口サイズにカットして、腸詰めやモツと一緒に出してくれました。お目当ての肺(?)の味はOKでしたが、食感がシャリシャリしていて苦手でした。注文した食事は完食するのがモットーですが、この時はごめんなさいしました。
ウイグルは、果物が最高に美味しい
新疆ウイグルは、果物で有名。それぞれの地方に特産物があります。私が旅行した9月に食べ頃だったのは、イチジク、メロン、スイカとカボチャのようでした。
乾燥している新疆ウイグルでは、果物を水分補給にしてるようです。マーケットで一息つきたい時に、フルーツの屋台に立ち寄って一休みしている現地の人たちをよく見かけました。そして、自分も同じように現地の人たちに混じって間食してました。
ウイグル旅行中に特に気に入って食べたのは、イチジク。信じられないほど安くて、とろりと甘くて、ジューシーな食感が病みつきでした。イチジク屋さんでは、大の大人が籠を囲んで、美味しそうなイチジクを自分で選んで手に取り、ちゅりゅちゅると食してました。
ウイグルでは、カボチャの屋台もフルーツの屋台に混じってました。このカボチャは、私が知っているカボチャではありませんでした。めちゃくちゃ甘くて、みずみずしくて、やわらかくて、食べ応えがあるメロンみたいでした。
屋台でカボチャが蒸しあがって、プレートに並べられると瞬間で売り切れるほど人気でした。
以上が、新疆ウイグルを旅行するならおすすめのローカル料理でした。
ちなみに、日本に住むウイグル出身の友人によると、日本でリアルに美味しいウイグル料理を出すお店はほぼ皆無だそうです。そういう彼女は、スパイス・ブレンドを実家から送ってもらっているとのことで、おすそ分けを頂いたことがあります。さすが、そのスパイスで料理したラム肉や牛肉は美味しかったです。