正直なところ、ウズベキスタンに行くまでは旅行中のローカル料理には期待してませんでした。海に面していない場所の料理はあまり美味しくない、何故なら海の幸による出汁文化がないから、という私たちの思い込みで、「double landlocked(二重に陸に囲まれた)」ウズベキスタンの料理への期待値は自動的に低くなったのです。
でも、そんな思い込みはウズベキスタンに到着したその夜の夕食で一気に吹き飛ばされましたた。ウズベキスタンの料理に外れなし!このポストでは、2週間の旅行中の食事の中から特に美味しかった郷土料理を紹介。ぜひ中央アジア旅行の参考にしてください。
絶対におさえるべき3つのベーシックな郷土料理
実際にウズベキスタンに行って知ったことですが、この国には美味しい食事の3条件がそろっています。まず新鮮でクオリティの高い野菜と肉。土壌が良く、十分な日光があるのだと想像します。次に、調理方法が幅広いこと。そして、スパイスなどの調味料が豊富なこと。ここで紹介する3つのベーシックな郷土料理はこの3つの条件を満たしています。
1つ目は、プロフ。肉、玉ねぎ、にんじんの炊き込みご飯で、地域によって豆やレーズンがたっぷり入っています。根菜の旨味がよく出ていて、ついつい食べすぎちゃいます。
2つめはマンティ。中央アジア風の餃子。ラム肉または牛肉とたっぷりのスパイスが、もちもちの皮に包まれています。肉汁が最高です。地域によっては、ヨーグルトやサワークリームが添えられます。
そして、3つ目はシャシリク。羊、牛肉のぶつ切りの串焼き。挽き肉バージョンもあります。腕のいいシェフは、肉全体に火を通しながら、中は柔らかく外はカリッと仕上げるのだそうです。ミックス・スパイスもシェフの腕の見せ所だと思われます。
おそらく肉の消化を助ける目的で、酢漬けの玉ねぎが必ず添えられています。そういうところにも、食文化の豊かさを垣間見る思いがしました。
地方でしか食べられない郷土料理
ヒヴァなどのホレズム地方には有名な伝統料理があります。ヒヴァに行くなら必ず試してもらいたいのが次の2つ。
まず、Shuvit Oshi。香菜を練り込んだ麺。さっぱり香りのいいパスタ麺のようでした。トマトベースの肉じゃがのような具がのっていて、ヨーグルトが添えられています。私はこれが大好きでした!
もう1つは、ホレズム地方の夏限定の伝統料理、Tuhun Barak。卵白のの蒸し餃子。ヨーグルトがかかっています。
こちらは、首都タシケントの郷土料理、ノリン。半生風の細切りにした麺に、蒸した肉の細切りを和えたもの。麺は、餃子の皮を蒸したような感じ。和えるときに肉の脂が全体に行き渡るので多少脂っこいです。油そば好きな人にぜひ試してもらいたい!
どの食卓でもだいたい出てくる料理。知らないうちに病みつきになります。
ウズベキスタンではナンが主食のひとつです。レストランで席に着くと必ず出てきます。家でお客さんを招く時にはナンでもてなすのだそうです。
丸い形で真ん中を窪ませるのが中央アジア風。地方によって、もちもちだったり、ふわふわだったり、ベーグルのようにどっしりだったりします。サマルカンドのナンは、国中で大人気。表面はツヤッつやで、持つとどっしり重い王様のナンです。
一番美味しいのは焼きたてのナン!
忘れられないのは、車で長距離移動中に路上で買った焼きたてのナン。ファッティー・ナンという名前のとおり、バターたっぷりで、外はカリカリ、中はしっとりな素晴らしいナンでした。焼きたてのナンを待つ行列ができているナン屋さんを見たら、躊躇なく列に加わりましょう。
ディルも、お店に入ると必ず出されます。日本人の私たちにとってディルはお洒落なハーブですが、この国では、日本人がレタスやほうれん草をもりもり食べるようにディルを食べます。メイン料理が出てくるまでの間に、ディルの柔らかい部分をちぎりながら食べるのがいつしか病みつきになりました。
アッチク・チュチュクは、ウズベキスタンのグリーン・サラダ。トマト、キュウリ、玉ねぎとチーズのサラダです。日本の甘くて美味しいトマトとキュウリに匹敵します。
まだまだある試したいローカル料理
ラグメンは、中国の西から中央アジアにかけて広く普及したうどん。油そばのように、上に具を乗せたタイプも、ラーメンのようにスープに入ったタイプもあります。自家製の麺だと、噛みごたえがあってもちもちしています。日本人が好きな料理だと思います。
肉じゃがが日本の家庭料理なら、ウズベキスタンで肉の煮込みがレストランの腕の見せどころ。ラム肉がホロホロになるまで煮込んだKazan Kabobは、ホッとする味。ジャガイモが一緒に煮込まれているのも、肉じゃが好きな日本人をほっとさせるのかもしれないです。
この国のワインはお世辞にも美味しいとは言えませんが、チーズの種類は豊富で、味もグレイト。ミルクの味がしっかりしています。しょっぱくないチーズがお好きならぜひ!
最後に、豊かな郷土料理の裏には必ず素晴らしいマーケットがあります。旅行中にはぜひそれぞれの街の市場にも足を運んでみてください!