旅行計画のためにトルクメニスタンをネットで調べると、必ず出てくる「ダルヴァザ」。でもその地名が、共和制といいつつ“終身”大統領がほぼ全ての権限を掌握するという、謎な国の政府系の資料にはあまり出てこないとなると、ますます興味が湧くというのが人間の性(さが)。
ダルヴァザ・クレーターってどうやってできたの?
ダルヴァザ・クレーターは、別名「地獄の門」と呼ばれる巨大な燃えるクレーターで、所以は旧ソ連時代にさかのぼるらしい。1970年代、旧ソ連が天然資源を求めて地質調査をした際、落盤事故が起きてできた大きな穴から天然ガスが噴出。ガスをそのまま拡散させるのは危険過ぎるため、拡散防止として点火したのが始まり。その後もガスが噴出し燃え続けて今に至るのだそうです。現時点では、ガスの噴出も燃焼も止める術がなく、ガスが枯渇するまで待つしかないとか。政府にしたら、せっかくの天然資源を無駄にしている上に、エコがもてはやされる時代に大々的に売り出すこともできないという、有り難くない場所のようです。でも、そういう場所こそ行きたくなるもので、私たちもクフナ・ウルゲンチからアシガバッドの道中で寄ることにしました。
クレーターまでの道中では、砂漠ならではの景色に出会える!
ダルヴァザ・クレーターがあるのはカラクム砂漠の真ん中。首都のアシガバッドからも北東の都市クフナ・ウルゲンチからも250-300km程離れています。途中の道路は舗装されていないため、クレーターまでは車で3-4時間もかかるなら、、、と躊躇する前に、道中のステキな景色もぜひプランに入れてください。私たちが一番おぉーってなったのは、ラクダがのんびり草を食べている景色。
道中には、畜産を生業にしている村が点在しています。ラクダやヤギ、羊を繁殖させているそうです。そういう村には、枯れ木で囲った小屋があるのが特徴。村に足を踏み入れると、ラクダやヤギの子どもが無邪気に寄ってきます。
ダルヴァザ・クレーターを見るベスト・タイミングは絶対に陽が落ちた後!
ダルヴァザ・クレーターは、天然ガスが燃える巨大な穴。炎がよく見えるのは日の入り後の暗い時間帯。よって、陽が落ちる頃に現地に着くように旅程を組むのがおすすめ。クレーターの周りにはキャンピングのサービスがあって、砂漠で一夜を明かすことができます。
明るい時には不気味な大きな穴だったのが、陽が落ちると炎が良く見えるようになって「燃える穴」に変貌します。クレーターの周辺の空気は粘度があり、常に「ゴォー」という音が響きます。
暗闇の中で見る燃える穴は、映画の撮影セットみたい。
テントで一晩を明かし、朝日とともに外に出ると、クレーターの景色はすっかり変わっています。暗闇の中で見た時よりは迫力は劣るものの、やっぱり不気味な景色。
周辺にも似たようなクレーターがあるので、立ち寄ってみて
ダルヴァザ・クレーターの周辺には、同じようなクレーターが幾つかあります。私たちが立ち寄ったのは「Mud crater」と「Water crater」と呼ばれる2つのクレーター。ダルヴァザ・クレーターのように燃えてはいませんが、クレーター内を覗くと、泥や水の表面からぼこぼこ気泡が出ているのが見えました。
アクセス:首都アシガバッドから、車で3時間強。ウズベキスタンとの国境にあるクフナ・ウルゲンチからは、車で3-4時間。
過ごす時間:陽が落ちて暗くなってからが、断然迫力があります。夕方前にクレーターについて、一晩キャンピングをして過ごすのがおすすめ。
旅のキーワード:クレーター、砂漠でキャンピング