世界中どこでも、1回の訪問で終われないのがスイーツ屋さん。ショートケーキが美味しいと評判のお店に行って、次にチョコレート系を試したくなって、うーんこのお店ならカスタードクリームも美味しいに違いない!ってなって、気づいたら3度目の訪問。
そんな感じになるのが、シンガポールの「スイート・ソーツ(思甜)」。お店に入って、カウンターでメニューを見た瞬間に「このお店は1回で終われない」って思うはず。メニューに並ぶキーワードと写真が魅力的過ぎて、選ぶのに一苦労します。
このお店でおすすめのスイーツは3種類あって、ひとつめは、かき氷パフェ。次に、黒ゴマのお汁粉。そして、蒸しプリンです。
郊外にあるレトロなカフェ
「スイート・ソーツ(思甜)」は、コバン(Kovan)という郊外にありながら、実はオーナーはスイーツで有名な Francis Wong というシェフ。中華スイーツを、シンガポールやマレー系の材料をつかって、現代風にアレンジするというコンセプトで出したお店なんだそうです。
メニューに並ぶ言葉は、黒ゴマ、小豆、マンゴー、カヤ、パンダン、銀杏、紫イモ、ほうじ茶といったアジア系の食材。和菓子やアジア系のスイーツが好きな人たちの心をつかみます。
このお店でおすすめのスイーツは3種類あって、ひとつめは、かき氷パフェ。次に、黒ゴマのお汁粉。そして、蒸しプリンです。
アジアン・テイストのかき氷パフェ。おすすめその一。
初めて行った時におすすめなのは、かき氷パフェ。味がついたかき氷のまわりいっぱいに、アジアンなスイーツ食材が盛られています。
私が一番好きなのは、「Black Sesame (黒ゴマ)」。黒ゴマペーストが練りこまれたかき氷のまわりに、甘さ控えめの小豆、ハーブのこんにゃくゼリー、ピーナッツパウダーがまぶしてある餅がたっぷり盛られます。さらに、お好みでかけるココナッツ・チーズ・ミルクのシロップが添えられて出されます。
ここのかき氷パフェが乙なのは、ハーブのこんにゃくゼリー。
中華系の人たちは、食材の陰陽を考えて食生活を送りますが、そんな彼らが中華料理の最後に好むのがハーブのゼリー。ウーロン茶のような苦みがあるハーブのゼリーが、油をたくさん摂って熱くなった体をいい具合に冷やすと考えられています。もちもちな歯ごたえで、タピオカ好きならきっと気に入るはず!
アジアン・テイストのかき氷パフェ。おすすめその二。
夫が好きなのは「Mao Shan Ang (プレミアム・ドリアン)」というかき氷パフェ。
ココナッツジュースを練りこんだかき氷のまわりに、ドリアン・ペースト、チェンドル、こんにゃくゼリーが盛られています。グラマラッカという黒砂糖のシロップが添えられて出されます。
夫曰く、このドリアン・ペーストが美味しいそうです。ネットで調べたところによると、確かにここのドリアン・ペーストは新鮮なドリアンをつかっているからこそ美味しい、というコメントがありました。
アジアン・テイストのかき氷パフェ。おすすめその三。
それから、もう一つ東南アジアテイストのかき氷パフェでおすすめなのが「Taro(紫イモ)」。
紫イモを練りこんだかき氷のまわりに、蒸しイモ、銀杏、こんにゃくゼリーが盛られていて、お好みでかけるシロップはココナッツ・チーズ・ミルクです。写真の右端に映っているのは、トッピングで追加した黒ゴマ餅です。
中華スイーツでは外せない、黒ゴマのお汁粉
このお店で地味に美味しいのが、温かい中華スイーツの代表、黒ゴマやピーナッツなどのお汁粉。おすすめなのは「Black Sesame Paste(黒ゴマのお汁粉)」です。
お汁粉の上に、生姜とパンダン(東南アジアのスイーツでよく使われる緑色のハーブで、日本でいうヨモギみたいな使い方をします)をカフェラテのラテみたいに泡立てた “Ginger Pandan Cloud” がのっています。黒ゴマのお汁粉と聞くと甘いのかなーって思うかもしれませんが、生姜がいい感じで効いていて、一度食べると癖になる美味しさです。
東南アジアの食材をつかった、蒸しプリン
もう一つこのお店でおすすめなのは、蒸しプリン。お店のおすすめマークがついている「Steamed Kaya Pudding(カヤ蒸しプリン)」は、シンガポールのカヤ・トーストが好きな人なら絶対に気に入るはずです。
カヤというココナッツミルクと卵と砂糖でつくられたジャム味の蒸しプリンで、その上にキャラメルソースと、パンダン・サゴ(タピオカみたいなプチプチのバブル)が添えられ、その上にラテのように泡立てた黒砂糖がのっています。
取り皿にはトーストがついてきます。昔ながらの料理を現代風にアレンジするのが得意なシェフFrancis Wong が、カヤトーストに甘いコーヒーを合わせる現地の朝食をイメージしたんだろうな、と想像します。
シンガポールのレトロなアイテムにも注目。
このお店には、シェフが「子どもの頃にシンガポールでよく使われていたレトロな調理器具」が飾ってあります。今のシンガポールしか知らなくても、なんとなく懐かしい気持ちになりながら、シンガポールで長い間親しまれてきた中華系スイーツを食べて幸せになれる場所です。
Sweet Thoughts by M.O.D (思甜): 50 Hougang Ave 1, #01-00 JForte Sportainment Center, Singapore 538885
Getting there: MRT Kovan Stから徒歩5分