ウズベキスタンからトルクメニスタンへ陸で国境を越えて、最初に立ち寄るのがクフナ・ウルゲンチ(旧ウルゲンチ)。もし逆方向の国境越えなら、ウズベキスタンのヒヴァに行く前に立ち寄る街。どちらにしても、これらの2つの街を訪れると、今は国境を隔てていても、大きな歴史の中ではひとつのホレズム地方に属することを強く感じます。この記事では、遺跡内の主な建築を紹介。
クフナ・ウルゲンチの主な建築物
クフナ・ウルゲンチ(旧ウルゲンチ)は、ヒヴァの前にホレズム地方の首都だった都市。繁栄のピークは12-13世紀で、現在残る建築物は11-16世紀のものだそうです。当時の建物の多くは失われているものの、残っている建物にはホレズム地方のイスラム建築の特徴がよく見られます。広い敷地内には自然のものとは思えない小さな丘があちこちにあって、掘ったら何かしらの建物跡が出てきそうでした。実際、政府の長期計画ではさらに発掘を進めることになっているそうです。
クトルグ・ティムール・ミナレット
遺跡内のどこからでも見えるのは、クトルグ・ティムール・ミナレット。11-12世紀の時代の最も高い建物の一つで、高さは67m。表面は美しい幾何学模様で装飾されています。少し傾いている最上部は、後の時代に修復された部分だそうです。
テュラベグ・ハン廟
遺跡内でここで最も規模が大きいのが、14世紀のテュラベグ・ハン廟。外部にも内部にも美しい装飾。建物は2つの空間からできていて、玄関ホールは長方形、メインホールはドーム型。
ドームの空間は外から見ると12角形になっていて、上層部は美しい青と青緑のモザイクで装飾されています。
外部が12角形で装飾されている一方で、内部は上部が12角形で下方に向かって6角形へ移行するようにデザインされています。装飾は、青とオレンジをベースに、星と花をモチーフにしたような幾何学模様。イスラム・アート好きの私は、こういうのをずっーと眺めていたくなります!
ドーム型のメインホールとは対照的に、入り口の空間は直方体。装飾もメインホールとは異なる趣のデザインで、ペルシア系の装飾の影響が見られます。
イル・アルスラン廟
こちらの可愛らしい帽子をかぶったような建物は、イル・アルスラン廟。12-13世紀の支配者イル・アルスランの墓だと言われています。ベースは立方体で、上部は10角錐のドームのようになっています。装飾にはホレズム地方の特徴がよく表れていて、それぞれのパートが異なる幾何学模様で覆われています。
広い遺跡内には他にもキャラバンサライの門などが残っています。目に見える遺跡がない所でも、地面のあちこちに動物の骨が散らばっていて、ガイドさん曰く、当時に建物を建てる時に材料に混ぜていたものだそうです。地面に散らばった骨は「ここに何かが眠っているよ」というサインのような気がして、今は見えない大きな都市への想像がふくらみました。
アクセス:ウズベキスタンとトルクメニスタンの国境から車で20-30分。ダルヴァザからは車で3-4時間。
過ごす時間:主な4-5つの建築物を回ると60-90分。
旅のキーワード:古代都市、ユネスコ世界遺産、モスク、イスラム・アート