スカマデ・ビーチは、インドネシア・東ジャワのメル・ベティリ国立公園の一部で、ウミガメの保護で知られています。
週末の東ジャワ弾丸旅行の最後の行き先をこのスカマデ・ビーチに決めた時、私たちはそこまでの道のりが相当ハードなことを想像してませんでした。ジャワ島西東のバニュワンギから、ウミガメ見学の拠点となる村までの道は荒く、1分に1-2度は車のシートから腰が跳ね上がってはシートにたたきつけられるというのに3時間強我慢。
めちゃくちゃ疲れましたが、目的地では可愛くて元気なウミガメの赤ちゃんたちを見ることができて、その価値はあったと思いました。
ウミガメがやってくるスカマデ・ビーチ
スカマデ・ビーチの波は高くて荒く、波際は常に靄がかっています。レンジャーによると、1年を通じてほとんど毎晩、この荒波からウミガメが現れて産卵をするのだそうです。周辺のジャングルには、シカやオオトカゲなどの野生動物が多く、卵は産卵直後から彼らの標的になります。それをレンジャーが確保し、ふ化させてから海に戻します。
ウミガメは夜に浜にやってきて産卵します。
産卵には長い時間と想像を超えた労力がいることを改めて思い知らされました。海から上がってきて、卵を産むのに適した場所かを確かめた後、穴をつくり、卵を産み、短い後ろ足で穴を砂で覆い、疲れた体を引きずりながら海に戻っていきます。ずっと荒い息を吐き、目から涙が流れています。
レンジャーによると、涙のように見えるのは、過剰な塩分が体外に排出されたものなのだそうです。それでも、目から涙が流れ続けるように見えて、胸を打つものがありました。
ウミガメの放流
次の朝、日の出前に宿泊場所を出て、早朝にウミガメを海に放します。ウミガメのベイビーたちはめちゃめちゃカワイイ!
レンジャーによると、放流した1000匹のうち、大人になって浜に戻ってきて次の世代を産むことができるのはたったの1-2匹なのだそうです。なのに子供たちは怖いもの知らず。砂浜に置いてやると、本能で海の方向を向き、海に向かって這っていきます。ビーチにいた人たちは自然に「がんばれー!」って叫んでました。
ビーチには、ウミガメが残していった足跡や、卵を求めるトカゲやシカなどの足跡でいっぱい。正直なところ、昨夜、レンジャーが生みたての卵を取り上げるのを見て心が痛んだのですが、この光景を見て納得。これだけのトカゲやシカの足跡を目の前にすると、保護なしにウミガメが孵る(かえる)のは難しいというレンジャーの言葉にも納得です。
アクセス:バニュワンギから、ウミガメの見学の拠点となる村まで97㎞。車で3時間強。
かかる時間:スカマデ・ビーチまでの往復、夜のウミガメの産卵、早朝のウミガメの放流を含めて丸2日間
旅のキーワード:ウミガメの保護、ウミガメの産卵、ウミガメの放流