初のバングラデシュ旅行の時期は、国中を氾濫させる悪名高き雨季を避けて、乾季のど真ん中の2月にしました。おかげで旅行の間に雨に降られることは一切なく、ずっと天気に恵まれて、道中の美しい景色を満喫。
驚いたのは、乾期の真っ最中なのに、国中のいたるところが、前の日に雨が降ったかのように水で溢れていることでした。この記事では、そんな水で溢れる美しいバングラデシュの大地の景色を紹介します。
水と共にある人々の生活
バングラデシュは、川でできている大地と言っても過言ではありません。地図を見ると、バングラデシュの国土のあちこちが大きな川で分断されているのが分かります。実際に数え切れないほどの川で覆われています。
1年の半分が雨季で、毎年壊滅的な洪水に見舞われる国。どのくらい壊滅的かというと、大きな川の形を変えてしまうくらい。故に、この国では最近まで、橋というものがほとんどつくられませんでした。なぜなら、苦労して橋を架けても、次の年には川が別のところを流れてしまうから。近年建てられた橋は、どれも長大で数キロ単位の長さ。橋の端から端までの間で、実際に水が流れているのはほんの一部。それは、将来の川の形が予想できないからなのです。
バングラデシュ旅行の間、毎日のように大きな川を渡りました。どの川も暴れ川だなんて想像できないくらい、ゆっくりと流れていました。
川では、洗濯をしたり水浴びしたり、農作物を育てたり、漁業や養殖など、いろんな生活の景色が広がっていました。こちらは、ガンジス川の上流で、漁師たちが仕掛けた罠から魚を引き揚げている様子。お父さんの収穫に喜ぶ女の子が可愛かったです。
水がたっぷりはられた水田風景
堤防周辺の景色もしかり。乾季でも、見渡す限り水田には水が張られていました。ガイドさんによると、豊かな水のおかげで米の二毛作が可能で、バングラデシュの1.6億人の主食を支えているのだそうです。
内陸で漁業?
旅を始めて数日経って、延々と続く水田が見慣れた景色になりました。それで、道路の両側に続く大きな池のようなものを、なんとなく乾季のための貯水池なんだろうなと思いながら見てました。
実は、貯水池ではなくて養殖場でした。こんな内陸部に、そして乾季なのに水がいっぱい。
これが収獲風景。市場に出せる大きな魚を選別してます。ガイドさんによると、養殖業は乾季の方がむしろ安定していて、雨季になると養殖池から水が溢れて魚が移動してしまい、誰の魚か分からなくなって大変なんだそうです。人々はそれに慣れてるそうですが。そりゃそうですね、毎年お隣さんとケンカしても続きませんしね(笑)
朝靄がかかる静かな早朝
私が旅行した時は、毎日、早朝から午前の10時過ぎまで濃い靄がでていて、朝のドライブはいつも霧の中でした。バングラデシュの冬の風物詩だそうです。
水辺の景色が美しい村
最後に、プティアという古いヒンズー寺院が残る小さな村の景色。ベンガルでは、古から様々な宗教が信仰されました。仏教、ヒンズー教、イスラム教。これらの宗教に共通するのは、清潔さ。実際にバングラデシュは街も地方も、道路も家もとても清潔でした。バングラデシュの豊かな水のおかげで、これらの宗教文化が花開いたというのは言い過ぎかなぁ。自然とそう思えるほど、バングラデシュの大地は乾季ですら水であふれる美しい大地でした。